北部日本自動車学校が教習生を対象に踏切事故防止セミナーをするようになって、既に10年近くが過ぎていた。

毎年暮れに実施されるこのセミナーは北部の安全教育の第二の故郷となり、教習生はそこで踏切の安全な対応を学び、安全意識を育て、そして巣立っていった。

西暦2024、ロビーから最も遠い講習室（１-１）は踏事故防止セミナーを名乗り、教習生に安全意識の醸成を挑んできた。

この一ヶ月あまりの準備に関わった指導員は総体力の半分を消費に至らしめた。

人々はみずからの行為に恐怖した。

講習の準備は佳境に入り、実施日を待つばかりとなった。

踏切を脱出する教習車を待ち受けていた指導員は、遂に踏切事故の本領を発揮して教習生に迫る。

それは、教習生にとっても指導員にとっても初めて体験する恐ろしいセミナーであった。

北部日本自動車学校、次回「踏切事故防止セミナー」

君は、（踏切で）生き延びることができるか？